秋さんの机 | 秩父巡礼紀行 | 巡礼1 2013.03.04 |
巡礼2 2014.01.22 |
巡礼3 2015.05.20 |
巡礼4 2017.02.26 |
巡礼5 2018.05.20 |
巡礼6 | 巡礼7 |
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![]() 昨年の1回目は、東武東上線小川駅で下車し、橋場バス停より、 標高 560m の粥仁田峠を越えて1番札所に入り5番までを順次に歩き、 横瀬駅から帰途につき、総歩数4万歩(約25km)だった。 2回目は6番からとなるが、横瀬駅から6番に向かうと、どうしても 次の7番・9番までの道が同じ道を引き返す事になりなんとなく 面白くない。そこで地図を見ていると、西武線 芦ヶ久保駅(標高 300m) からあしがくぼ果樹公園村を通り、琴平神社(530m)まで登り6番(250m) にたどり着く山道を、昭文堂発行の「奥武蔵・秩父」に発見した。 しかしそうすると、5番と6番の間が断線となってしまう。やはり 横瀬駅より前回の中断したところまで戻り、そこから巡礼道を 連続することにした。こうすれば、同じ道を引き返す事もない。 前回同様、朝早く起き、水海道 5:45 --> 守谷 6:00 --> 南流山 6:19 --> 新秋津 7:07 --> 西武秋津 7:19 -->飯能 7:53--> 横瀬 8:38 に到着し、 駅前を見渡すと前回の風景がよみがえってきた 西武線 横瀬駅 左のほうに武甲山が見える ![]() 足取りを辿り、ここが前回の別れた三叉路地点 ![]() |
秩父札所 第6番 向陽山 卜雲寺(ぼくうんじ) |
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--- 初秋に 風ふきむすぶ 荻の堂 宿仮の世の 夢ぞさめける --- 駅を出て、記憶と地図を頼り前回までの道を辿って行く。分岐点を確認し向きを 変え、6番 卜雲寺に向かって、寒い中を歩いて行く。ちょうど前夜僅かな 雪が降り、建物の北側道路表面は雪や融けた水が凍っている。 地図を見ながら道を探して行くが、どこに行っても大きな武甲山が見えるので、 磁石を使い地図の向きを北に合わせなくても、武甲山を探すと、どの方角に行けば よいかが、寸時に分かるのは有難い。道路から急な道を登り、最後の石段を行くと、 卜雲寺の本堂前に着く。 この卜雲寺には、山姥の伝説があり、前歯1枚、奥歯2枚が当時のまま保存されて いると言う。南側が開けていて、武甲山が目の前に広がっている。 本堂の広場の隅に六地蔵が並んでいるがちょうど武甲山が背景にマッチしている。 着いた時に、一人の老人(私も同じだ)が心経を唱えて、終わると納経所の扉を 開けて入って行った。私も、前回の記憶から、読経を始める。 卜雲寺の本堂、山姥の歯が保存されていると言う ![]() 六地蔵の後ろは、逆光の武甲山が霞んで見える ![]() |
秩父札所 第7番 青苔山 法長寺(ほうちょうじ) |
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--- 六堂を かねてめぐりて おがむべし またのちの世を きくも牛伏 --- 良く晴れているので、周囲の山並みが良く見える。武甲山の左には、山容が はっきりとした二子山が目に飛び込んでくる。奥武蔵ハイキングで、正丸駅で 下車し、武川岳(1052)から二子山(883)までを縦走し、芦ヶ久保駅に戻る 一周コースを思い出す。低山の山歩きには、落葉樹の葉が落ちて見晴らしの よい、今頃が快適である 今年は甲午(きのえうま)の年です。秩父34ヶ所の本尊は通常、 秘仏として扉が閉じられています。観音様の御眷属(けんぞく)の馬にちなみ、 古来より馬歳は総開帳となります。前回の時は、いずれのお寺も扉が閉じられて いたが、今回は、正面の御本尊に向かい心経を唱える ここは牛伏堂とも呼ばれ、本堂の前に、子牛の石像がある。寺伝によると、 動かなくなった牛と牧童が一夜を明かすと、夢に現れた僧が「私は観音の 化身である。此処に草堂を結べば、この世の罪障を除いてくれよう」と告げた。 翌朝、草の中から発見された十一面観音を堂宇を建てて祀ったのが、 この寺の草創だという 山容がはっきりとした二子山 南東の方角 ![]() 馬歳は総開帳となります。どのお寺にも立札があった ![]() 山門から本堂を見る ![]() 本堂の前に、子牛の石像 ![]() |
秩父札所 第8番 清泰山 西善寺(さいぜんじ) |
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--- ただたのめ まことのときは 西善寺 きたりむかえん みだの三尊 --- 8番への道は、国道299号をくぐり、更に西武線も同様にくぐり抜けて、 横瀬町・根古屋まで歩いて行く。若かりし学生時代に、西武線の終点が 吾野駅の時、そこからバスに乗り換え正丸峠を越え(現在のトンネルもない) 根古屋で降りて、武甲山に登ったのは、半世紀前のことであった。 西武秩父まで延長されたのは、1969年(昭和44年)である 昔の武甲山の写真は、山名の由来となる兜のような形をしていたが、今は セメント材料の石灰岩を北側斜面から採掘しているので、頂上部が削り 取られて、横縞模様が幾重にもあり、見る影もない。 札所に近づくと、急勾配の道の右側に見える大きな屋根の裏側が見え、 登り切ってから、向きを変え山門をくぐり抜ける。本堂前には、 「コミネモミジ」の古木に圧倒される。樹齢約六百年で、幹の周囲3m、 高さ10m、枝張り20mで樹勢は今も旺盛で、四季折々、巡礼者を 優しく迎えている 大きな屋根の向こうには 武甲山 (1,304m) が迫って来る ![]() 「コミネモミジ」の古木 前夜の雪がうっすらと ![]() |
秩父札所 第9番 明星山 明智寺(あけちでら) |
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--- めぐりきて その名を聞けば あけち寺 心の月は 雲らざるらん --- 来た道を戻り、途中から西武線の線路に沿って、しばらく歩いて行くと・・・ 遠くに電車が並んでいる工場が見えてきた。よく見ると、片隅の駐車場に トレーラー2台が止まりその上には、二つにちょん切られた電車が乗っていた。 工場の外にも、それらしき電車がある。ここは、解体場ではなかろうか? そういえば、よく見かけた、黄色の電車ばかりが目に付く。 本堂は、2間6面の六角堂で、平成2年(1990年)に建替えられ、まだ新しい 感じのする観音堂だ。庫裏や納経所も同時期に建替えられたとのことである。 堂内に安置されている本尊の如意輪観音は、安産・子育にご利益があるとされ、 多くの女性参詣者が訪れるとのことだ。 西武電車が解体されて、トレーラーの上に乗っている ![]() 20年前のこの写真も同じアングルでした ![]() |
秩父札所 第10番 万松山 大慈寺(だいじじ) |
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--- ひたすらに たのみをかえよ 大慈寺 むつのちまたの 苦にかわるべし --- 10番に行くには、国道299号に出て、秩父市内に少し歩いてから、 右に曲がり横瀬中学校を通り県道11号に出ると、もうすぐだ。 読経を済ませ周囲を見ると、賽銭箱の横に 40cm ほどの、赤渋色の御賓頭盧 (おびんづる)様が笑顔で座っている。自分の病む箇所を手でさすりお賓頭盧 さまの同じ所をさわると、病気が移っていくという俗信があり、願掛けを する人があとを絶たない 案内書を見ると、お寺の裏側の小高い丘に、11番から北の方の聖地公園まで 遊歩道があるらしい。納経所で住職に登り口を教えてもらと、寺の横から とのこと。登り切って尾根道に出て、やや風当たりが増した。緩やかな アップダウンを繰り返す快適な山道だ。西の方角が開けたところでは、 屏風のような両神山が、近くの山の上に顔を出している。やがて、 山の上のお稲荷さんに到着する。ここから一気に下り、11番の すぐ隣に着いた 第10番 大慈寺の山門を入り口から見る ![]() 本堂には御賓頭盧様が笑顔で座っている ![]() 屏風のような両神山が長尾根の上に顔を出している ![]() 尾根道の終点に稲荷さんがある ![]() |
秩父札所 第11番 南石山 常楽寺(じょうらくじ) |
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--- 罪とがも きえよといのる 坂氷 旭はささ ゆうひかがやく --- 山から下りてきて、突然、お寺の境内に飛び出してきたと言う感覚だ。 ここからは、秩父の街並みが眼下に広がっている。記録によると、 昔は観音堂、仁王門、庫裏など堂々とした伽藍が広がっていたが、 1878(明治11)年の秩父大火で不幸にも類焼して、一切が烏有に帰し たのだという。 この11番から17番までは、秩父市街地を回ることになる。 時計を見ると、12時を回ってしまったが、この辺は食堂がないので、 12番をお参りして、次の13番は駅の近くなので、そこまで我慢する ことにした 第11番 常楽寺の本堂 右の方の山から下りてきた ![]() 秩父の街並みが眼下に広がっている ![]() |
秩父札所 第12番 仏道山 野坂寺(のさかじ) |
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--- 老いの身に 苦しきものは 野坂寺 今思いしれ 後のよの道 --- 国道299号を横断し、羊山公園の裾伝いに歩いて行く。羊山公園は、 武甲山から北に尾根状に延びる丘陵上にあり、中央部の小さな谷で南北に 二分され北側のブロックに「見晴しの丘」など、南側のブロックに 「芝桜の丘」などがある。 「羊山」の名は戦前に県の綿羊種畜場が設けられていたことによる。 丘の西には「ふれあい牧場」が設けられている。芝桜の開花時期は、 4月上旬から5月上旬で、約40万株の芝桜が、一面ピンクと白に塗り 分けられる。 西武鉄道のガードをくぐるり、左に進むと山門が見えてくる。 山門は、火灯窓を配し勾欄をまわした、簡素で重厚なところは 禅寺の風格を持つ良く手入れされた庭が印象的だった 第12番 野坂寺の本堂 境内には素晴らしい庭がある ![]() 禅寺らしい風格のある山門(境内より写す) ![]() |
秩父札所 第13番 旗下山 慈眼寺(じげんじ) |
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--- み手にもつ はちすのははき のこりなく 今浮世の塵を はけの下寺 --- 国道140号に出て、西武秩父駅に向かう。もう1時半を回っている。 朝飯が早かったので、大分お腹がすいてきた。西武秩父駅の中に、 西武秩父仲見世通りがあり、蕎麦屋に飛び込み、「にしん蕎麦 大盛り」 をたのむ。飲まず、食わずだったので、汁を全部飲み、お茶のお替わりも 何度かして、水分を補う。仲見世通りの奥から、お花畑駅に通じる 連絡歩道がある。踏切を渡り十字路の一角に13番がある。 市役所・公民館・秩父線・西武線に最も近いところに位置している。 京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の1つに数えられている 秩父夜祭は、毎年12月3日が大祭で夜は神幸祭となり、このお寺の 一つ向こうの通りが、最大2トンもある屋台・笠鉾をお旅所への急な 団子坂をそれぞれ一気に曳き上げられる、大迫力となる地点です。 本堂の隣に、飴薬師があり、眼のお寺として、7月8日の縁日に、 山門前の聖人横町は歩行者天国となる 秩父線、西武線各駅に最も近いところにある 慈眼寺 ![]() 薬医門と呼ぶ切妻造りの黒門 ![]() |
秩父札所 第16番 無量山 西光寺(さいこうじ) |
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--- 西光寺 ちかいを人に 尋ぬれば ついのすみかは 西とこそきけ --- 14番は、すぐそこにある。13番を出ると街の案内があったので、 それを見て出発する。 これが、大きな間違いだった。地図をよく確認しないで歩き出したのと、 市街地なのと甘く見たのが原因だ。途中で案内が消えて、多分この辺だと 歩き回ってしまう。10分で着くところが40分も歩いたころ 秩父駅前の広い道に出てしまった。地図をよく見ると16番が一番近い。 この際 順序を、16番、14番、15番と変更して、最後の15番から 御花畑駅前を経由して西武秩父まで歩いて、帰路の電車に乗ることとした。 16番の近くに来ると、お墓の中から旗が見えたので、それを目指していくと 巡礼の表示があり安堵する。近くで作業していたおばさんが、「今行きます」 と声がして、納経をお願いする 本堂の左には、願をかけ名刺を残すという他に例のない酒樽大黒天があり、 この30石樽(ドラム缶27本分)は毎日3合で30年分入ると言う。 山門の右手には、四国八十八ヶ所霊場の本尊を模した木造が並び、 これを拝めば四国遍路を果たしたと同じ功徳がある 納経の際、次の14番までの道順を詳しく教えてもらい、16番をあとにする 第14番を目指したのが、16番 西光寺となる ![]() 名刺を残すという他に例のない酒樽大黒天 ![]() |
秩父札所 第14番 長岳山 今宮坊(いまみやぼう) |
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--- むかしより たつとも知らぬ 今宮に まいる心は 浄土なるらん --- 探し求めた観音様は、密集した住宅の中にあった。16番で説明を受けた 「14番・16番周辺案内図」がなければ、もう一度さまようところだ。 屋根に宝珠をのせた間口・奥行が3間の方形造りの飾り気のない端正な建物が、 住宅密集地にひっそりと建っていた。隣には、小さな勢至堂が並んで、 「勢至菩薩は午歳生まれの守り本尊です」と、書いてある。そうか、こちらが 観音様なのだ。本堂での読経は、間違いだったのかなと、今、気が付いた。 納経は、道を挟んだ、普通の家に納経所と書いてある。先ほどの地図を 見ながら、今日最後の巡礼に足を運ぶ。 間口・奥行が3間の方形造りの第14番 今宮坊 ![]() 「勢至菩薩は午歳生まれの守り本尊です」と、書いてある ![]() |
秩父札所 第15番 母巣山 少林寺(しょうりんじ) |
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--- みどり子の ははその森の 蔵福寺 父もろともに 誓いもらなす --- 駅の近くの狭い路地を通り、小さな秩父線の踏切を渡り、坂を上ると 15番がある。このお寺も同様に、1878(明治11)年の秩父大火にあい、 焼失してしまった。本堂再建の際、火災防止の見地から、外側をすべて 白色の漆喰塗りで仕上げた、土蔵造りになっている。境内は、早春の ハクレンから秋の萩まで、優しい野の花が咲き続き、狭いながらも 楽しい寺園とのこと 工事中の階段を迂回して、踏切を渡り、線路伝いに御花畑駅に向かい、 そのまま駅を抜けて西武秩父駅にたどり着く。時間がやや早いので、 普通電車で池袋を目指した 次回の予定は、西武秩父で下車し、同じ道を歩き、秩父神社に お参りしてから、17番に向かうことになりそうだ。 本堂は外側を白色の漆喰塗りで仕上げた土蔵造り ![]() 春になると優しい野の花が咲き続ける境内 ![]() |
秩父巡礼 2回目 ま と め |
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今回の歩数 = 38,641 距離 = 24.2km 歩数・時間・距離(km) |
場所 | 自宅 | 横瀬駅 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 | 10番 | 11番 | 12番 | 13番 | 16番 | 14番 | 15番 | 秩父駅 | 帰宅 |
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歩数 | 0 | 2,743 | 7,852 | 9,118 | 12,113 | 15,369 | 18,694 | 21,374 | 23,439 | 25,798 | 29,252 | 30,578 | 31,974 | 33,753 | 38,641 |
時間 | 5:45 | 8:45 | 9:35 | 10:00 | 10:36 | 11:20 | 11:58 | 12:35 | 13:05 | 14:05 | 14:55 | 15:15 | 15:39 | 16;08 | 21:15 |
区間 | 0 | 1.7 | 3.2 | 0.8 | 1.9 | 2.0 | 2.1 | 1.7 | 1.3 | 1.5 | 2.2 | 0.8 | 0.9 | 1.1 | 3.1 |
累積 | 25.4 | 27.1 | 30.3 | 31.1 | 33.0 | 35.0 | 37.1 | 38.8 | 40.1 | 41.6 | 43.7 | 44.6 | 45.4 | 46.6 | 49.6 |
距離算出は、歩幅 ≒ 0.66m、歩数計誤差 = +5%、から校正する (累積距離は1回目からの累積を表示) |
秋さんの机 | 秩父巡礼紀行 | 巡礼1 | 巡礼2 | 巡礼3 | 巡礼4 | 巡礼5 | 巡礼6 | 巡礼7 |
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